目標が見えなくて不安…フリーランスが自分らしい「羅針盤」を見つけるには
フリーランスになって「何を目指せばいいんだろう?」と感じるあなたへ
会社員からフリーランスになった時、自由な働き方に期待を膨らませると同時に、戸惑いを感じることも多いのではないでしょうか。その一つに、「目標設定」の難しさがあるかもしれません。
会社員時代には、部署の目標や個人のノルマがあり、上司からの評価や昇進といった明確な「目指すべきもの」がありました。しかし、フリーランスになると、そうした外からの基準がなくなり、「自分で全て決めなければならない」状況になります。
- 「何を目指して進めばいいんだろう?」
- 「このまま進んでいて大丈夫なのかな?」
- 「他の人はもっと明確な目標を持って頑張っているのに…」
このように感じて、漠然とした不安や焦り、停滞感に襲われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この感覚は、フリーランスになりたての方が経験しやすい、ごく自然な心の動きです。一人で抱え込まず、ここから一緒に考えていきましょう。
なぜフリーランスの目標設定は難しく感じるのか?
フリーランスが目標設定に難しさを感じるのには、いくつかの理由があります。
- 外部からの明確な基準がない: 会社という組織の目標や評価システムがなくなるため、「何をもって成功とするか」を自分で定義する必要があります。
- 全て自己責任: 目標設定も、その達成に向けた道のりも、全て自分の判断にかかっているというプレッシャーがあります。
- 先の見通しが立てにくい: 常に新しいクライアントを探したり、収入が安定しなかったりするため、長期的な目標を具体的に描きにくいと感じることがあります。
- 「稼ぐこと」だけが目標になりがち: 生活のために収入目標は重要ですが、それだけではモチベーションが維持できなかったり、自分が何のために働いているのか見失ったりすることがあります。
これらの要因が絡み合い、「羅針盤」を失った船のように、どこに向かえばいいのか分からず、立ち止まってしまうことがあるのです。
自分らしい「羅針盤」を見つけるヒント
では、この不安を和らげ、自分らしい目標を見つけていくためにはどうすれば良いのでしょうか。いくつか考え方のヒントをご紹介します。
1. 「完璧な」目標を探すのをやめてみる
最初から壮大で完璧な目標を設定しようと意気込む必要はありません。「何となく面白そう」「少しだけ挑戦してみたい」といった、小さな目標から始めてみましょう。例えば、「来月は新しい分野のスキルを一つ学ぶ」「今週中に〇〇に関する本を読む」「週に一度は全く仕事と関係ない時間を作る」など、すぐに取り組める具体的な行動目標も有効です。小さな成功体験を積み重ねることが、自信につながり、次の目標を見つけるエネルギーになります。
2. 「稼ぐ」以外の目標にも目を向ける
フリーランスにとって収入は大切ですが、それだけが目標ではありません。仕事を通じて得たいものは何でしょうか?
- スキルの向上: 特定の技術を習得したい、専門性を深めたい
- 人間関係の構築: 信頼できるクライアントと長く付き合いたい、同業者と交流したい
- ワークライフバランス: 家族との時間を大切にしたい、趣味の時間を確保したい
- 自己成長: 新しい知識を学ぶ、健康的な生活を送る
- 社会貢献: 自分の仕事を通じて誰かの役に立ちたい
これらの多様な視点から目標を考えることで、「稼ぐこと」だけにとらわれず、より豊かで自分らしい働き方、生き方につながる「羅針盤」が見えてくることがあります。
3. 目標は「固定するもの」ではなく「見直すもの」と考える
会社員時代の目標は年度初めに決まって、基本的に一年間は変わりませんでしたが、フリーランスの目標はもっと柔軟で良いのです。状況は常に変化しますし、自分の興味や得意なことも変わっていくでしょう。
四半期ごと、あるいは月に一度でも構いません。立ち止まって、「今の自分にとって本当に大切なことは何か?」「この方向で合っているだろうか?」と問い直し、必要であれば目標を修正したり、全く新しい目標を設定したりすることをためらわないでください。目標はあなたを縛るものではなく、あなたの進む方向を指し示すものです。
4. 他者との比較から一度距離を置く
SNSなどで他のフリーランスの活躍を見ると、「自分はまだまだだ」「もっと頑張らないと」と焦りを感じやすいかもしれません。しかし、人も仕事もそれぞれ異なります。見えている部分が全てではありませんし、皆それぞれのペースで進んでいます。
もちろん、他の人から刺激を受けることは大切ですが、比較しすぎて自分を追い詰める必要はありません。あなたはあなたの道を歩んでいます。他の人の「羅針盤」ではなく、あなた自身の内側にある「羅針盤」に耳を傾けることを意識してみましょう。
5. プロセスそのものを楽しむ視点を持つ
大きな目標達成だけに価値を置くと、そこに至るまでの道のりが辛く感じられることがあります。目標に向かう日々のプロセスそのものに小さな楽しみや学びを見出すことも大切です。
「今日は新しいことを学べた」「このタスクは少し大変だったけど、やり遂げられて達成感がある」「クライアントに喜んでもらえた」など、日々の小さな出来事に目を向け、自分を認め、労ってあげることで、焦りや不安が和らぎ、自然と次への意欲が湧いてきます。
最後に:一人で抱え込まずに
フリーランスが自分で目標を設定するのは、簡単なことではありません。不安や迷いを感じるのは自然なことですし、あなた一人だけが感じているわけではありません。
もし今、目標が見えずに立ち止まっているように感じても大丈夫です。小さな一歩から始めてみましょう。そして、この「フリーランスこころ相談室」のように、同じような悩みを抱える仲間がいる場所で、自分の気持ちを話してみたり、他の人の話を聞いてみたりすることも、自分らしい「羅針盤」を見つけるための大きなヒントになるはずです。
あなたのペースで、あなたらしい道を見つけていってください。応援しています。